群青を変換するパスタマシン

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「物語」の中に生きている男の備忘録

No Country for Clean Man

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今となっては知らぬものなど存在しない大ヒット商品、ファブリーズ。かつてこれ売り込むにあたって、P&Gさんはあるマーケティング手法をとったと言われています。彼らの取った手法は、「ファブリーズはただの消臭剤でなく、洗いにくい布のにおいを取るためのものなんですよ」というイメージをとにかく売り込むこと。これによって、大傑作商品「ファブリーズ」の商品イメージが確立され、空前の大ヒット商品となったと。

 

というわけでのっけから熱いファブリーズ話で始まった今回の記事は、ベトナムの衛生環境についての記事です。

 

 

おい、ベトナムファブリーズねえぞ

私がベトナムに着いてから、およそ24時間が経過しようとしています。

まあ、24時間あれば、大統領が誘拐され、その他様々な騒動が持ち上がって、あげくの果てにテロだなんだなんて話になったあげく、最終的に収まるところに話が収まるにも十分なくらいですから、私もこの24時間、早くもいろいろな経験をいたしました。カルチャーショックと、巷でよく言うやつですね。

 

で、こっちファブリーズ売ってないんですって

衝撃的すぎて、見出しで使った文章を地の文章でもにしてしまいました。でももう一回だけいいですか。頼む。ファブリーズ売ってねえよ、おい。普通の部屋の芳香剤的なものは売っています。ただ、ファブリーズはない。スーパーによって、とかじゃないらしいです。本当に売ってない、らしい。それこそ輸入ショップ的なものを探さないといけないらしいです。嘘だろお前ファブリーズ。お前とのショップ遭遇率なんて、モンスターボールだかポーションだかと同じようなもんだったはずだろ。

 

 

それ以外もいろいろある

それ以外もとにかく色々あります。というかベトナムに着いてから、衛生関係の話しか聞いてないかもしれないな…。お店に用意されているスプーンは気休めに一応、拭いてから使いましょう、とか…。気休めなのかよ…。ダメが前提かよ…。

 

びっくりするの結構いっぱいありました。何からいこうか。

 

 

ごみの分別

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みなさん、日本でどこに住まれたことありますか?

私は、東京の世田谷区、西東京市と、あと神奈川の川崎に住んだことがあります。西東京市は相当厳しかったですね。世田谷区は緩かった。

 

何かというと、ごみの分別の話なんですが、これ、ベトナムでは、基本しないらしいです。これまたまじか…。

ペットボトルと紙を一緒のゴミ袋に放り込みます。せっかくなので皆さん、頭の中にそんなゴミ袋を思い浮かべていただけたらいいと思いますが、いかがですか? なんか梅干しを思い浮かべるときに少し似たすっぱさがありません? ぼくはこれを目の当たりにしています。すっぺえ…。

もっと衝撃的なのは、タバコの吸い殻も一緒でいいということ。そこら中から火の手があがらないのが逆に不思議です。

 

 

店の床はアンタッチャブル

携帯ショップに行ってきたんですが、基本的にすごくキレイなところでした。まあ、ハエとかは飛んでましたが…

携帯購入に際し、やり取りをショップの方としていたのですが、この時私、コートを椅子に掛けていました。すると、若い女性の店員さんがつーっと寄ってきた。「何かな?」と思うと、その方コートを取って、折りたたんでかけなおしてくれたんですね。さらに「え?」と思っていた私に、女性の店員さんにっこりと笑って、私に言うには。

 

ベトナム、床、基本、汚い

 

いや、掃除すればいいじゃん…。

 

 

コートの裾が、床についてしまっていたらしいです。これは確かに日本でもよくないことではあるので、私のミスなのですが。

ただどちらかというとショップ店員さんに関してはここからで、さっきの部分だけ聞くととっても気が利く良い店員に思えるこの方含め、スタッフたちは基本、店内で携帯をいじっていました。だから、その時間掃除すればいいじゃん…。

極めつけは、私がやり取りをした男性の店員さんなのですが、彼に関しては、店内の有線放送に合わせ、歌まで歌ってしまっている始末(やり取りをしていて、彼が私の携帯をいじっている間などです)。挙句の果てに、「いや、お客さんの日本から持ってきた携帯SIMロックできないよ」とか言い始めますからね。その同じ口で。

 

また割とうまいし。

 

 

それはあかんて

下水がそこまで発達していないらしいんです。

日本のトイレに関しても、基本ティッシュは流しちゃダメらしいんですが、ベトナムの場合これがどうかというと、トイレットペーパーも、ダメだと。

 

はい、これ以上はこの話はしません……。トイレにはそれを入れるゴミ箱が置いてありますうん、無理。でもなんか普通に流してるらしいです。やっぱり。私もベトナム人大家さんの指示ガン無視で、日本人の方に従い、流してます。

 

 

三丁目の夕日を思い出しながら

24時間でこれだけネタをかき集められるわけですから、一応の予定である24カ月もベトナムにいた暁には、このネタだけで百科事典並の厚さの本が書けるんじゃないかという予感があります

 

ただやはり私が、90年代日本生まれで、ある種、「無菌化された」狭い世界の中に生きてきた。そんな人だからこそ、今、こういったいちいちに反応しているんだろうとも冷静に思うわけです。

残念ながらというか、私はその時代を生きていませんが、昔の日本なんかはまだ、基本的にはこんな感じだったのかなあ、と見ていて思います。街の感じとかの中にも、見たことなど絶対にないはずの街の面影を見出してしまったりしますし、あとは先ほどの話の中で言うと、ごみの分別のところなんかは、特にそう思います。昔は日本もこうだったんだろうなあ、と。

現在2017年、日本はインフラも整い、衛生管理もばっちりされている。一方ベトナムではフォーに生の牛肉をのっける。日本ではユッケも絶滅しましたもんね。それもまた、一昔前の話。こうやっていちいち比較しながら考えるに、この私の今いるベトナムの姿もまた、整備され、時の流れとともに、今のあなた方のいる日本の姿に向けて進んでいくんだろうなあ、と感じます。

 

どちらがいいかと聞かれると、特に最後の口にするのも文にするのも嫌なトイレの件に関してなんかも含め、やはり衛生管理はできていた方がいいと思いますので、これに関しては私は「日本がいい」です。日本の今の状態は、海を隔てた今改めて、素晴らしいものがあったと思います。

ただ一方で、私たちが「三丁目の夕日」を読んで観て感じるような、あの「息苦しくない楽園感」、ある種の鷹揚さ、緩さのようなものがここベトナムにはまだ残っているように感じられもします。まあ、日本において喫煙所が全撤去されそうな勢いであることとかは、まああんまり、いいですけど、それを除いても、やはりある種の堅苦しさはあったと思うんですね。なので、それに関しては、出来ればベトナムでは残していってほしいなとも感じています。あとはそれでいうと、願わくば日本が、その素晴らしい環境を保ったまま、誰もが息苦しくないシステムをもってそれを維持できるようさらに発展していただければとも、思うんですけどね。

 

今日の記事は以上です。

 

 

 

 

 

ん? ちょっと待てよ…。これから、時代が繰り返し、ベトナムがかつての日本と同じ道を歩んでいくとしたら、日本でやったのとまったく同じ手法でここでファブリーズ売り込んだら、私は億万長者になれてしまうのでわ…………?